第17回


ゲストは、作家の田中康夫さん
1956年生まれ。一橋大学法学部卒業、
在学中に執筆した
「なんとなく、クリスタル」で文藝賞受賞。
その後、石油会社勤務を経て文筆活動へ。
2000年から長野県知事、参院議員、
衆院議員と政治家としても活躍した。
最新著書に『33年後のなんとなく、クリスタル』
(河出書房新社)がある。


著書「33年後のなんとなく、クリスタル」には、
長野県知事時代のことも書かれてあります。
「僕にとっては恋愛もボランディアも行政も政治も同じなんです。
人に喜んでいただいてなんぼの価値というか、
でも自分がしてあげたいことが相手も喜ぶに違いないと思っていたら、
しっぺ返しをくらっちゃうわけですよ。」と田中さん。

話を大学で法学部だったことに向けると
「いえいえ、フランキー堺さんが言った、ほうがく違いの、あほう学部です(笑)」
「僕が思っているのは地頭ということばがあって、世間でいわれている肩書きとか
偏差値とかではないものを持って全国津々浦々まっとうに働き、学び、暮らしている人たち。
偏差値教育で数字でしか評価できない人たちよりも、生きる知恵とかだけじゃなく、
世の中、本当はこう歩むべきじゃないか、このあゆみは少し変じゃないかとか、
地頭をもったごくごく普通の人々の方が鋭い。」と。

そして本については「今や人口よりも携帯電話の数のほうが多い時代。
今みんな連絡が取れるけど、夜中に着信したラインを読まないで学校に行ったら
友達にいじめられちゃうかも知れない。だから我々の30数年は便利になったのか、
あるいは不自由になったのか、ちょっとわからない。でも、その間みんな一年一年を経ているし、
当時大学生だった人たちも50代になって結婚したり、離婚したり、婦人科系の病気を患ったり
子どもの教育に思い悩んだり、そういう物語にカタカナのヤスオというのが
トイプードルのロッタと一緒に登場するんです。」

確かに便利でいて不便な時代、登場人物たちはどのように過ごしてきたのか、
みなさん是非、お読みくださいね!

M1. Lullaby of Birdland / 杏子
M2. Every Kinda People / Robert Palmer *田中康夫さん選曲。
M3. Call Me / Randy VanWarmer